賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格に認定され、不動産業界で非常に注目を集めています。
不動産業界で賃貸物件の管理業務を行う会社にとって、今やこの資格は欠かせないものとなり、資格保持者であることが業務上の信頼向上につながります。
宅建と比べると若干取得しやすい資格ではありますが、試験は年々難化しており、合格率も下がってきています。
そのため、資格取得を考えている方には「早めの取得」をおすすめします。
この記事では、賃貸不動産経営管理士の合格率や受験者数、難易度などの詳細に触れつつ、具体的な試験対策についてもご紹介していきます。
この記事を書いてる人
✔海外在住20年以上
✔上海で旅行会社経営
✔海外在住中に宅建など資格取得
✔現在は日本で不動産業を兼務
✔日本帰国2年で4つの国家試験に合格
賃貸不動産経営管理士の概要
賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理運営に必要な専門知識と法令を理解し、適切な管理と運営ができることを証明する資格です。
2021年に国家資格となったことで、さらに信頼性が高まり、不動産業界での地位が確立されました。
200戸以上の賃貸住宅を管理する場合、賃貸不動産経営管理士を1人以上配置することが義務付けられており、賃貸経営を行う企業にとって重要な資格となっています。
試験では、賃貸経営に必要な条件や知識として、建物管理や契約手続き、法令遵守、入居者対応など幅広い分野が出題されます。
試験が難化している今、早めの取得を目指すことで、業界での競争力も向上するでしょう。
私の賃貸不動産経営管理士の受験体験は以下の記事で紹介しています。
賃貸不動産経営管理士の試験内容
試験は以下のような分野で構成されています。
賃貸不動産経営管理士の試験分野
- 管理受託契約に関する事項
- 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
- 家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
- 賃貸住宅の賃貸借に関する事項
- 法に関する事項
- その他、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項
試験では、これらの分野について幅広い知識が求められるため、効率的な学習計画が必要です。
賃貸不動産経営管理士の試験日、試験時間、合格発表
試験日、試験時間、合格発表などは以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
試験日時 | 毎年11月の第3日曜日 令和6年は11月17日(日) |
試験時間 | 13:00 ~ 15:00(120分間) |
試験会場 | 北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄(全国38地域) |
受験手数料 | 12,000円 |
出題形式 | 四肢択一、50問 |
試験の一部免除 | 令和5年度及び令和6年度の講習修了者は45問 |
受験要件 | 日本国内居住者なら年齢、性別、学歴等の制約なし |
受験申込 | 8月上旬~ 9月下旬ごろまで |
合格発表日 | 12月下旬 |
試験は毎年11月の第三日曜日に行われますが、詳細は例年3月下旬から4月上旬にかけて発表されます。
2024年(令和6年度)の試験実施要領は、2024年3月28日に公式に発表されました。
公式ページをチェックしましょう。
賃貸不動産経営管理士の受験者数と合格率
2013年からの受験者数と合格率の変動を以下に表で示します。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2013年(平成25年) | 3,946名 | 3,386名 | 85.8% |
2014年(平成26年) | 4,188名 | 3,219名 | 76.9% |
2015年(平成27年) | 4,908名 | 2,679名 | 54.6% |
2016年(平成28年) | 13,149名 | 7,350名 | 55.9% |
2017年(平成29年) | 16,624名 | 8,033名 | 48.3% |
2018年(平成30年) | 18,488名 | 9,379名 | 50.7% |
2019年(令和元年) | 23,605名 | 8,698名 | 36.8% |
2020年(令和2年) | 27,338名 | 8,146名 | 29.8% |
2021年(令和3年) | 32,459名 | 10,240名 | 31.5% |
2022年(令和4年) | 31,687名 | 8,774名 | 27.7% |
2023年(令和5年) | 28,299名 | 7,894名 | 27.9% |
賃貸不動産経営管理士は、2020年に国家資格化の話が出始め、翌2021年に正式に国家資格となりました。
この動きを受け、資格の信頼性が向上し、不動産業界でも注目を集めるようになりました。
賃貸不動産経営管理士の難易度
以下に賃貸不動産経営管理士、宅建、管理業務主任者、マンション管理士、FP2級の合格率を比較します。
資格名 | 合格率 |
---|---|
賃貸不動産経営管理士 | 約30% |
宅建 | 約15% |
管理業務主任者 | 約20% |
マンション管理士 | 約13% |
FP2級 | 約40% |
賃貸不動産経営管理士の合格率は国家資格認定後のものになります。
他の不動産関連資格と比べて取得しやすい部類ですが、それでも試験範囲が広いため、しっかりと準備が必要です。
賃貸不動産経営管理士の勉強時間
以下は資格ごとの平均的な勉強時間です。
資格名 | 勉強時間 |
---|---|
賃貸不動産経営管理士 | 200~300時間 |
宅建 | 400~600時間 |
管理業務主任者 | 300~500時間 |
マンション管理士 | 500~700時間 |
FP2級 | 100~200時間 |
賃貸不動産経営管理士は200~250時間程度の学習時間が必要とされています。
忙しい方でも計画的に学習を進めることで、合格が十分に目指せます。
賃貸不動産経営管理士の勉強方法
賃貸不動産経営管理士の勉強方法としては、まず基本的な参考書や問題集を使って範囲を網羅することが重要です。
過去問や模擬試験を利用して、出題傾向や苦手分野の把握も行うと効率的です。
詳細な勉強方法については、別記事で詳しく解説します。
まとめ
賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理業務を支える重要な資格であり、早めの取得が大きなメリットとなります。
2021年に国家資格となり、業界内での評価も高まっています。
試験の傾向や対策を押さえつつ、実務に役立つスキルを身につけることで、キャリアの幅が広がるでしょう。