FP試験は、将来のキャリアやライフプラン設計に役立つ国家資格ですが、試験の仕組みや内容を理解することで、効率よく学習を進められます。
このガイドでは、FP試験の概要や試験範囲、合格率についてわかりやすく解説し、スムーズに学習を始めるお手伝いをします。
この記事を書いてる人
✔海外在住20年以上
✔上海で旅行会社経営
✔海外在住中に宅建など資格取得
✔現在は日本で不動産業を兼務
✔日本帰国2年で4つの国家試験に合格
ファイナンシャルプランナーとは?
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、個人や家庭、企業の資産管理やライフプラン設計を支援する専門家です。
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
引用:日本FP協会
FPの役割は、収入や支出のバランスを見直しながら、貯蓄や投資、保険、年金、税制などの幅広い知識を活用して、資産形成やリスク管理についてアドバイスを行うことです。
相談者が安心して将来を迎えられるよう、経済的な側面からしっかりサポートします。
例えば、家計の支出を見直して教育資金を確保したり、将来の年金不足に備えるための投資計画を立てたりといった具体的な提案を行います。
このようにFPは、人生の目標を実現するためのパートナーとして、大きな役割を果たします。
ファイナンシャルプランナー試験の概要
FP試験は、国家資格であり、ファイナンシャルプランナーとしての知識とスキルを評価する試験です。
資産管理やライフプラン設計に関する幅広い知識が問われ、経済産業省の指導のもと、NPO法人日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が実施しています。
試験は3級、2級、1級といったレベルに分かれており、級が上がるごとに求められる知識の深さや応用力が高くなります。
FP試験には学科試験と実技試験があり、3級と2級ではCBT(Computer Based Testing)方式を採用しており、全国のテストセンターで随時受検が可能です(1級はペーパー試験のみ)。
学科試験
学科試験では、FPとして必要な6つの分野が出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
3級では基礎的な内容、2級では応用力が、1級では実務的な知識が問われ、出題範囲が広いため幅広い学習が必要です。
実技試験
実技試験の範囲は、試験実施団体(日本FP協会またはきんざい)によって異なる点に注意が必要です。
それぞれの団体で異なる実技科目が設定されているため、自分が受験する団体の科目内容を理解しておくことが重要です。
試験実施団体 | 実技科目 |
---|---|
NPO法人 日本FP協会 | 3級・2級・1級:資産設計提案業務(1科目) |
一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい) | 3級:資産相談業務、保険顧客資産相談業務(2科目) |
2級:個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務(4科目) | |
1級:個人資産相談業務(1科目) |
実技試験は、主に「学科試験」で問われる範囲から出題されますが、科目によって重点分野が異なります。
したがって、過去問などを活用して、出題分野を事前に確認することが効果的です。
ファイナンシャルプランナー資格:各級の特徴と内容
ファイナンシャルプランナー試験は、3級から1級までのレベルがあり、各級で求められる知識やスキルが異なります。
以下の表は、試験日程や受検資格、試験内容などを3級から1級の順にまとめたものです。
項目 | 3級FP技能検定 | 2級FP技能検定 | 1級FP技能検定 |
---|---|---|---|
試験日 | 随時受検可能 (休止期間あり) |
2025年4月より随時受検可能 (休止期間あり) |
年1回(9月) |
試験時間 | 学科:60分 実技:60分 |
学科:90分 実技:90分 |
実技:240分 |
受検資格 | 特になし | 3級FP技能検定合格者、 AFP認定研修修了者、または FP業務2年以上の実務経験者 |
2級FP技能検定合格者、または FP業務5年以上の実務経験者 |
難易度 | 初級 | 中級 | 上級 |
合格率 | 約70% | 約40% | 約10% |
試験内容 | 学科:FPの基礎知識 実技:資産設計提案業務 |
学科:FPの応用知識 実技:資産設計提案業務 |
学科:FPの高度な応用知識 実技:資産設計提案業務 |
試験形式 | CBT方式 | 25年4月よりCBTへ完全移行 | ペーパー試験 |
なお、FP資格は、原則として3級から順に受験する必要があります。
3級で基礎知識を学び、2級で応用力を高め、1級で高度な専門知識を習得するという流れです。
ただし、一部の場合には、3級をスキップして2級から受験することも可能です。
たとえば、AFP認定研修を修了している方や、FP業務に2年以上従事した実務経験のある方は、3級を経ずに2級から挑戦できます。
ご自身の状況を確認し、最適な受験プランを選ぶことが重要です。
では次に、各級の特徴を詳しくご紹介します。
ファイナンシャルプランナー3級
3級は、FPの基礎を学び始める方に向けた入門レベルの試験です。
個人の家計管理や資産形成に必要な基礎知識を学ぶことができ、FPとしての知識の土台を築くのに最適です。
初めてFP資格に挑戦する方や、将来のライフプラン設計に役立てたい方におすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
試験日 | 随時受検可能(休止期間あり) |
試験時間 | 学科:60分 実技:60分 |
受検資格 | 特になし |
難易度 | 初級 |
合格率 | 約70% |
試験内容 | 学科:FPの基礎知識 実技:資産設計提案業務 |
試験形式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
3級試験は、合格率が約70%と高めで、初めてFPに挑戦する方でも合格を目指しやすいレベルです。
また、CBT試験形式により、全国のテストセンターで随時受検できるため、気軽に受けやすい点も特徴です。
必要な勉強時間は目安として50時間程度とされており、基礎的な資産管理やライフプランニングに関する知識を学ぶには最適な入門試験です。
ファイナンシャルプランナー2級
2級は、FPとして実務に役立つ応用知識を身につけるための中級レベルの試験です。
3級の基礎知識をもとに、より実践的な内容を学ぶことが求められ、FPとしての活動を目指す方や、すでに金融関連の業務に携わっている方に適しています。
項目 | 内容 |
---|---|
試験日 | 2025年4月より随時受検可能(休止期間あり) |
試験時間 | 学科:90分 実技:90分 |
受検資格 | 以下のいずれかに該当する者: 1. 3級FP技能検定の合格者 2. AFP認定研修の修了者 3. FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者 |
難易度 | 中級 |
合格率 | 約40% |
試験内容 | 学科:FPの応用知識 実技:資産設計提案業務 |
試験形式 | 2025年4月よりCBT方式へ完全移行予定 |
2級試験は、合格率が約40%で、実務に役立つ知識を身につけたい方や、FPとしての活動を視野に入れている方に適しています。
2025年4月からCBT試験形式に完全移行するため、全国のテストセンターで随時受検が可能です。
勉強時間の目安は150〜300時間とされており、FPの基礎に加え、応用的な資産管理やリスクマネジメントのスキルを身につけるための中級資格となっています。
ファイナンシャルプランナー1級
1級は、FPの中でも最上級の資格で、コンサルティング力や高度な知識が必要とされます。
実務経験を活かし、顧客の総合的な資産管理をサポートできるスキルを証明するもので、FPとしてのキャリアアップや独立を目指す方におすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
試験日 | 年1回(9月) |
試験時間 | 実技:240分 |
受検資格 | 以下のいずれかに該当する者: 1. 2級FP技能検定の合格者 2. FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者 |
難易度 | 上級 |
合格率 | 約10% |
試験内容 | 実技:資産設計提案業務(記述式) |
試験形式 | ペーパー試験 |
1級試験は、合格率が約10%と低く、FP資格の中でも最上級レベルで、実務経験や高度な専門知識が求められます。
試験はペーパー形式で年に1回のみ実施されるため、計画的な準備が必要です。
勉強時間の目安は500〜700時間とされており、顧客の資産管理に対して柔軟なコンサルティングができるような高度なスキルを身につけるための試験となっています。
ファイナンシャルプランナーの勉強方法
FP試験の勉強方法は、級ごとに異なる学習量や内容を考慮しつつ、基本的な流れを押さえることが重要です。
まず、出題範囲を把握し、学科試験と実技試験それぞれに必要な知識を確認します。
次に、テキストや参考書で基礎知識を固め、理解度を深めたら、過去問を解くことで実践力を養いましょう。過去問は試験の出題傾向を掴むためにも有効です。
さらに、模擬試験や問題集を活用して弱点を克服し、試験形式に慣れることも効果的です。
特に3級や2級のCBT試験では、試験内容に適したオンライン教材や動画講座などを使うことで、効率的な学習が可能になります。
ファイナンシャルプランナー試験のまとめ
ファイナンシャルプランナー(FP)試験は、資産管理やライフプラン設計の専門家として必要な知識とスキルを評価する国家資格です。
試験は3級、2級、1級のレベルに分かれており、級が上がるにつれて求められる知識や応用力も高まります。
NPO法人日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)によって実施されており、FPとしてのキャリアアップを目指す方にとって大きなメリットがあります。
3級と2級はCBT方式により全国のテストセンターで随時受検が可能で、特に3級は基礎知識を学びたい方におすすめの資格です。
2級以上はより実務的な知識が求められ、1級では高度なコンサルティング能力が必要とされます。
FP資格を取得することで、金融や保険、不動産などの分野でのキャリアが広がり、独立したFPとしての道も開けるため、将来に役立つ資格です。
試験に向けては、基礎を固め、過去問や模擬試験で実践力を養うことが合格への近道です。
FP試験への挑戦は、資産設計やリスク管理スキルを身につけ、顧客や自身の生活を支えるための一歩となるでしょう。