
賃貸不動産経営管理士(賃管)の5問免除講習とは、本試験の50問中5問が免除され、実質5点がプラスされる制度です。
結論から言うと、合格を目指すなら、受講はほぼ必須。
実際、筆者もこの5点のおかげで一発合格できました。
ただ、初めて挑戦する方にとっては制度の仕組みや当日の流れが見えず、不安になる方も多いでしょう。
そこで今回は、2023年に実際に5問免除講習を受講し、賃管に一発合格した筆者が、体験談を交えて詳しく解説します。

この記事では、5問免除講習の仕組みから申し込み方法、そして私のリアル体験談をまとめています。
ぜひ最後まで読んで、試験準備に役立ててください。
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賃管「5問免除講習」とは?
この「5問免除講習」とは、所定の講習を修了することで本試験の50問中5問が免除される制度です。
つまり実質的に5点分が加算される仕組みであり、合格に直結する大きなアドバンテージになります。
この講習は以下のような流れで進みます。
▼▼申し込み▼▼
- 公式サイトで希望会場と日程を選び、Webで申し込み。
- 申し込み後、公式テキストを購入し、受講票が郵送される。
▼▼事前学習▼▼
- 当日までに公式テキストを使って学習。
▼▼講習当日▼▼
- 録画講義を視聴しながら重要ポイントをマーク。
- 最後に修了テストがあり、その場で合否が判定される。
5問免除の概要は以下のとおりになります。
項目 | 内容 |
---|---|
実施団体 | 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 |
実施時期 | 毎年9月頃 |
会場 | 全国47都道府県123会場 |
申し込み期間 | 例年4月下旬〜(定員に達し次第締め切り) |
受講資格 | 制限なし(誰でも受講可能) |
費用 | 受講料:18,150円(税込)/ 教材:4,048円(税込) |
講習内容 | 事前学習+当日講義(1日) |
有効期間 | 修了後2年間 |
なお、免除される5問の出題分野は公式には公表されていません。
あくまで「確実に5点を得られる制度」として活用するのがベストです。
5問免除受講者の合格率
5問免除を受講した方(45問解答)と受講していない方(50問解答)の合格率を比較してみましょう。
区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
5問免除受講者(45問解答) | 11,763名 | 3,489名 | 29.7% |
非受講者(50問解答) | 18,431名 | 3,793名 | 20.6% |
全体 | 30,194名 | 7,282名 | 24.1% |
免除講習を受けるだけで合格率は29.7%と、非受講者の20.6%に比べて9.1ポイントも高い結果となっています。

受験者のうち、約6割は免除を受けずに挑戦しています。
一方で、非受講者の合格率は大きく下がっているのが実情です。
このデータからも、確実に合格を狙うなら「5問免除を利用するのが合理的」だと言えるでしょう。
賃管の5問免除の申し込み方法
5問免除講習の申し込みの流れ
- 公式サイトで確認
一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会の公式サイトをチェック。 - 希望の会場を選ぶ
「会場一覧」から自分の都合の良い会場で行っている団体を確認しましょう。 - 「実施団体の申込ページ」から申し込み
申し込み期間中にWebフォームから必要事項を入力。 - 公式テキスト購入
申し込み後に送られてくるメールの案内に従い、公式テキストを購入。 - 受講票の確認
受講票が郵送されるので、講習当日まで大切に保管。
実施団体
- (公財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)
- (一社)全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)
- (公社)全日本不動産協会/TRA
どの団体を選んでも教材や講義内容に違いはありません。
自分の都合に合わせて会場を選びましょう。

人気の会場はすぐ埋まってしまうので、迷ったら早めに手続きするのがおすすめです。
「5問免除講習」筆者のリアル体験記
ここからは、私が実際に受講した5問免除講習を時系列でご紹介します。
これから受講を考えている方は、当日の流れや注意点の参考にしてください。
6月:受講申し込み
2023年6月21日に受講を申し込みました。
本当は早めに講習を終えて試験勉強に集中したかったのですが、希望していた人気の会場はすでに満席…。
しかたなく、試験2カ月前の9月の講習を選びました。
講習には公式テキストが必要なので、あわせて購入。
なお、領収書が発行されるため、会社経費で受講する人も安心です。
7月:公式テキストを使って事前学習

公式テキスト。1,000ページ以上のボリューム…
申し込みから1週間ほどで公式テキストが届きました。
そのボリュームはなんと1,000ページ以上!
正直、すべて読むのはかなり大変です…。
公式案内では「受講前にテキストで事前学習を」とされていますが、実際には市販のテキストや通信講座をメインに勉強しておけば十分対応可能だと感じました。
9月13日:受講当日

TKPガーデンシティ千葉の会場
当日は「TKPガーデンシティ千葉」で受講しました。
会場には約400人が集まり、この資格への注目度を実感。
講習は録画されたビデオ講義を全員で視聴する形式で、朝9時から夕方5時半までの長丁場です。
約1時間に一度の休憩はありますが、それ以外の退出は不可のため、トイレは余裕を持って行きましょう。
最後には修了テストがあり、私が受講した時には「半分以上正解すれば合格」という基準でした。
講師が「ここが重要」と繰り返していた部分がそのまま出題されるので、集中して受けていれば十分突破できます。

その方が講義内容が頭に入りやすく、結果的に復習の機会にもなりました。
講習を修了すると、本試験では50問が45問に短縮され、実質5点が加算されます。
11月:試験と5問免除
そして迎えた11月の本試験。
私の結果は39点でした。

1点の差が合否を分ける試験だけに、5点のアドバンテージがどれほど大きいかを実感しました。
「5問免除」と「アガルート」を組み合わせて、直前2カ月の勉強で合格できた私の体験談は下記からご覧ください。
リアル受験体験記はこちら
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リアル合格体験記|賃貸不動産経営管理士に直前でも一発合格できた学習法
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賃管5問免除の注意点
賃貸不動産経営管理士講習は試験合格を目指す上で有効な手段ですが、メリットばかりではありません。
注意点もあるので紹介します。
1. 費用が高く、負担が大きい
講習には受講料やテキスト代に加え、交通費や移動時間などの負担も伴います。
おおよその費用
- 受講料:18,000円前後(令和6年度時点では一律18,150円)。
- テキスト代:4,048円(税込)。
- 交通費:会場によっては遠方への移動が必要になるため、負担が増える場合があります。
このように、講習料やテキスト代だけでなく、交通費や時間的コストも考慮する必要があります。
2. 急な欠席や遅刻は認められない
講習は厳格なスケジュールで進行するため、欠席や遅刻が認められません。
体調不良で当日参加できない場合、受講料が無駄になるリスクがあるため、事前の健康管理が不可欠です。
また免除講習も長時間にわたるため、トイレや携帯電話には注意しましょう。
特に、社会人の方は仕事のスケジュール調整や万が一の欠席リスクを考慮した上で、講習日程を決めることが重要です。
3. 受験票に免除の記載がない
受講を終えて修了証を受領していても、送られてくる受験票には「免除対象者」と明記されません。
そのため、初めて受験する方は「本当に免除が反映されるのか?」と不安に感じやすいです。

不安な場合は、試験実施団体に問い合わせれば対象者かどうか確認してもらえます。
5問免除は受けるべき?
絶対に受けるべきです。
国家資格で5点のアドバンテージは非常に大きいです。
20,000円以上の費用がかかりますが、再受験の時間的コストや精神的負担を考えると、一度の試験で合格するために受講する価値は十分あります。
ポイント
賃管の令和6年度合格率は24%になり、令和5年度の27.9%からさらに難化されました。今後5問免除の重要度はますます上がってきます。

まとめ:この記事を読んだあなたがやること
賃貸不動産経営管理士試験に合格するためには、計画的に行動することが重要です。
この5問免除講習を活用すれば、試験対策に大きなアドバンテージを得られます。
以下の3つのステップを参考に、合格への第一歩を踏み出しましょう。
5問免除から合格までの3ステップ
- 講習を申し込む 希望する会場・日程を早めにチェックして申し込み。
- 講習を受講する 公式テキストを事前に活用し、当日は集中して講義を受ける。
- 本試験対策を仕上げるアガルートなどの通信講座を使って効率的に学習し、模試で実力を確認。
この3つのステップを実践すれば、合格への道が明確になります。
自分のペースで確実に進めて、試験本番で最高の結果を出してください!