不動産業界で注目される資格、「宅建」、「賃貸不動産経営管理士」、「管理業務主任者」、「マンション管理士」には、『5問免除制度』という仕組みがあるのをご存じですか?
この制度は、一定の条件を満たすことで国家試験の5問が免除されるというもの。
試験の難易度を下げ、合格のチャンスを大きく広げてくれるため、多くの受験者にとって強力な味方となります。
この記事では、5問免除制度の仕組みや免除される問題の内容、メリット、注意点についてわかりやすく解説します!
この記事を書いてる人
✔海外在住20年以上
✔上海で旅行会社経営
✔海外在住中に宅建など資格取得
✔現在は日本で不動産業を兼務
✔日本帰国2年で4つの国家試験に合格
5問免除制度とは?
5問免除制度とは、特定の条件を満たすことで、国家試験の全問中5問が免除される制度です。
この仕組みは、試験範囲が広く、合格率が低い難関資格において受験者をサポートするために設けられています。
特に、不動産業界で注目される以下の4つの資格にこの制度が適用されています。
5問免除のある不動産資格とは?
- 宅建(宅地建物取引士):不動産取引に欠かせない基礎資格
- 賃管(賃貸不動産経営管理士):賃貸管理業務に特化した資格
- 管業(管理業務主任者):マンション管理業務を担うための資格
- マン管(マンション管理士):マンション管理全般の専門知識を問う資格
これらの資格に共通して、5問免除制度を活用することで試験の負担を軽減し、合格への道を切り開くことが可能です。
それぞれの資格における免除条件や講習の有無については、次で詳しく解説します。
各資格の5問免除の対象者
各資格における5問免除制度について、以下の表にまとめました。
資格 | 対象者(免除を受けられる人) | 講習の有無 |
---|---|---|
宅建 | 宅建業に従事しており、従業者証明書を有する方 | 必須(講習受講が必要) |
賃管 | どなたでも受講可能 | 必須(講習受講が必要) |
管業 | マンション管理士試験の合格者 | 不要 |
マン管 | 管理業務主任者試験の合格者 | 不要 |
それぞれの資格で対象者が異なることにご注意ください。
免除される問題
5問免除制度では、資格ごとに免除される問題の分野が定められています。以下の表をご覧ください。
資格 | 免除される問題の分野 |
---|---|
宅建 | ①宅地および建物の需給に関する法令ならびに実務に関する科目 ②土地の形質、地積、地目および種別ならびに建物の形質、構造および種別に関する科目 |
賃管 | 公式に分野が発表されていない |
管業 | マンション管理適正化法に関する問題 |
マン管 | マンション管理適正化法に関する問題 |
宅建、管業、マン管は免除になる分野が公式発表されているのでさらに対策がしやすくなります。
一方で、賃管は免除される分野が公式に発表されていないため、どの範囲が免除されるのかを特定して対策することはできません。
そのため、試験全体をバランスよく勉強する必要があります。
5問免除の合格率と対策
宅建の5問免除
宅建の5問免除制度は、宅建業に従事している方を対象とした制度です。
5問免除者の合格率は以下のとおり。※令和5年(2023年)公式発表から
区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
登録講習修了者 | 49,407名 | 11,927名 | 24.1% |
一般受験者 | 183,869名 | 28,098名 | 15.3% |
全体 | 233,276名 | 40,025名 | 17.2% |
登録講習を受講することで問46~問50の5問が免除されます。
データからもわかるように、登録講習を修了した受験者の合格率は24.1%で、一般受験者の15.3%と比較して約8.8ポイント高い結果となっています。
宅建は他の不動産資格に比べて受験者数が多い一方で、5問免除制度を活用することで、合格の可能性を大きく高めることができます。
宅建業で働いている方は、登録講習を受講してこの制度を必ず活用しましょう。
賃貸不動産経営管理士の5問免除
賃管は講習さえ受ければ、誰でも5問免除を得ることができます。
賃管の5問免除の合格率は以下のとおり。※令和5年(2023年)公式発表から
区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
5問免除受講者 | 11,449名 | 3,700名 | 36.9% |
非受講者 | 16,850人 | 4,272名 | 23.6% |
全体 | 28,299名 | 7,972名 | 32.1% |
賃管の5問免除制度の特徴として、免除講習を受けるだけで合格率は36.9%と、非受講者の23.6%に比べて13.3ポイント高い結果となっています。
2023年のデータを見ると、受験者全体の約4割が5問免除講習を受講しており、合格者全体の約5割が免除講習を活用して合格しています。
ただし、会場での1日講習が必須であるうえ、事前学習も求められるため、スケジュール調整が重要です。
特に人気の会場では早期に定員に達することが多いため、公式ページを確認し、早めに申し込むことをおすすめします。
管理業務主任者の5問免除
管業では5問免除者の合格率の公式発表はありません。
管業の5問免除を受けるには、マンション管理士試験に合格していることが条件です。
マン管の方が合格率が低いので、管業で5問免除を受ける人は少ないかもしれません。
対象者は受験申込時に申請が必要なので忘れないようにしましょう。
また免除講習は、試験で重要ポイントも解説してくれるので、しっかり聞きましょう。
マンション管理士の5問免除
マン管では5問免除者の合格率の公式発表はありません。
マン管の5問免除を受けるには、管理業務主任者試験に合格していることが条件です。
賃管・マン管のダブル受験をして、惜しくもマン管が不合格な場合は次回以降に利用可能できます。
こちらも対象者は受験申込時に申請が必要なので忘れないようにしましょう。
5問免除制度はつかったほうがい?
条件に合う人は必ず利用しましょう。
特に賃管は誰でも受講さえすれば5問免除を利用できます。
5問免除の費用と時間を惜しんだ結果、不合格になると翌年の受験費用や勉強時間が余計にかかることになります。
5問免除制度のまとめ
宅建、賃管、管業、マン管の5問免除制度は、国家資格を効率的に取得するための強力なサポート制度です。
それぞれの資格で免除を受ける条件や対象者を正しく理解し、自分に合った学習方法を取り入れることで、試験の合格率を大幅に向上させることができます。
資格取得を目指す皆さん、ぜひ5問免除制度を上手に活用して合格を勝ち取りましょう!