国内旅行業務取扱管理者試験のリアルな合格体験を知りたい方へ。
私は2001年から2022年まで上海に住んでおり、海外在住中の2015年に国内旅行業務取扱管理者試験に挑戦し、見事合格しました。
この記事では、筆者がどのように学習を進め、合格に至ったのか、その体験談を紹介します。
この記事は海外在住者だけでなく、日本国内で国内旅行業務取扱管理者を目指す方にも役立つ内容です。ぜひご覧ください。
この記事を書いてる人
✔海外在住20年以上
✔上海で旅行会社経営
✔海外在住中に宅建など資格取得
✔現在は日本で不動産業を兼務
✔日本帰国2年で4つの国家試験に合格
私の挑戦の背景
私は2001年から2022年までの約22年間、中国・上海で旅行会社を経営していました。
2010年の上海万博を機に、中国人の訪日ビザが徐々に緩和され、中国人観光客による訪日旅行が増加しました。
しかし、その後、尖閣問題や東日本大震災の影響で、一時的に訪日旅行の需要は下火になりました。
それでも日本政府がインバウンド政策に力を入れたことで、訪日旅行市場は再び盛り上がりを見せ、将来的にインバウンド業務が重要なトレンドになることは明らかでした。
こうした背景から、日本でのインバウンド業務に携わることを視野に入れ、「国内旅行業務取扱管理者」資格の受験を本格的に決意しました。
国内旅行と総合旅行、どちらで受験する?
旅行業務に関する資格には、「国内旅行業務取扱管理者(国内)」と「総合旅行業務取扱管理者(海外)」の2種類があります。
総合は海外実務を含む上位資格で、試験内容も広範囲に及ぶため難易度が高い資格です。
この2つの資格については、「国内に合格してから総合を受験するべきか」、あるいは「最初から総合を一発受験するべきか」という議論がよくあります。
私は悩んだ末、国内→総合の順番で受験することを決めました。
その理由は、過去に総合試験に2回落ちた経験があるからです(汗)。
なぜ国内から始めたのか?
実は、2000年代に総合試験を2回受験していました。
その頃はちょうど子供が生まれた時期で非常に忙しく、さらに当時の私は資格取得の必要性を十分に認識していなかったため、結果として合格には至りませんでした。
その後、国内と総合の合格率を改めて検証したところ、「総合の一発受験」は非常に難易度が高いと認識しました。
試験区分 | 合格率 |
---|---|
国内旅行業務取扱管理者 | 32.9%(令和5年度) |
総合旅行業務取扱管理者(全科目受験) | 7.9%(令和5年度) |
総合旅行業務取扱管理者(国内資格保有者) | 26.5%(令和5年度) |
国内試験に比べ、総合試験は内容がさらに広く、特に海外旅行関連の実務知識が求められるため、合格率が低いのが現状です。
あまりスポットを当てられませんが、合格率10%台は国家資格の中でも超難関です。
このことから、「まずは国内試験で確実に合格を目指し、総合へのステップアップを図るほうが賢明だ」と判断し、国内試験から挑戦することを決めました。
試験までのスケジュール
ここでは、私が国内旅行業務取扱管理者試験を目指してから、試験当日までのスケジュールを解説します。
2015年4月:学習スタート
国内旅行業務取扱管理者の試験に向けて、「ユーキャンの通信講座」を申し込み、まずは全体像をつかむことから始めました。
ユーキャンの教材は、旅行業法や約款などの法的内容を基礎からわかりやすく解説しており、初心者でも取り組みやすい構成でした。
特に、約款や計算問題が多い旅行業法は初めての分野で苦労しましたが、テキストと演習問題を繰り返すことで徐々に理解を深めました。
また、暗記が必要な箇所は声に出して読むことで、記憶に残りやすくなるよう工夫しました。
2015年6月~8月:地理の勉強
観光地理は試験範囲が広く、覚えるべき情報が多い分野です。
この時期は、ユーキャンの地理専用教材を中心に学習を進めました。
教材には、日本各地の観光名所や特色が詳しく掲載されており、効率的にポイントを押さえることができました。
特に、日本の国立公園や温泉地など、暗記が求められる箇所については、自分で内容を読み上げて携帯に録音し、通勤中や移動中に繰り返し聞くようにしました。
これにより、スキマ時間を活用して効率よく学習を進めることができました。
さらに、地図やガイドブックを活用してビジュアルで理解する方法も取り入れました。
観光名所については写真や動画を使って具体的なイメージを掴み、記憶に残りやすいよう工夫しました。
2015年9月:模試と総仕上げ
試験直前の1カ月間は、ユーキャンの過去問を中心に学習を進めました。
特に、過去問は試験範囲を網羅しており、解説も丁寧だったため、試験当日を意識した時間配分の練習に役立ちました。
また、繰り返し解くことで出題傾向を把握し、苦手な分野を集中的に復習することができました。
この反復学習により、計算問題や観光地理の細かい情報にも対応できるようになりました。
試験当日の様子
試験当日は、余裕を持って1時間前に会場に到着。緊張しすぎないよう、直前まで過去問を見直しました。
試験本番では、旅行業法や約款の計算問題を最初に解き、観光地理は後回しにしました。時間配分に気をつけながら問題を進め、最後に余った時間で見直しを行いました。
試験結果
試験の合格発表は2015年10月28日。見事合格しました!
公式でに点数は発表されないので、自己採点になりますが以下のとおりでした。
科目 | 満点 | 得点 | 合格基準 |
---|---|---|---|
旅行業法及びこれに基づく命令 | 100点 | 80点 | 合格 |
旅行業約款 | 100点 | 70点 | 合格 |
国内実務 | 100点 | 65点 | 合格 |
合計 | 300点 | 215点 | 合格 |
合格基準は、各科目で満点の60%以上の得点です。
旅行業法や約款は得意分野だったため高得点を取れましたが、運賃や料金の計算問題では苦戦しました。
それでも全体でバランスよく得点できたことが合格のカギとなりました。
合格までの勉強方法
私が実践した勉強法を科目ごとにご紹介します。これから試験を目指す方の参考になれば幸いです!
旅行業法・約款
旅行業法や約款の分野は、試験範囲がある程度決まっているため、効率的に学習を進めることが可能です。
私の場合、まずは参考書を通して基礎をしっかり理解し、その後は過去問に集中しました。
ポイントは過去問を取りこぼしなく解けるように繰り返すこと。過去問を解き進める中で、頻出テーマや出題傾向が自然とつかめてきます。
当時私は海外在住だったため、ユーキャンの通信講座の添削課題を利用する機会は少なかったですが、使わない手はありません。
早めに添削課題を提出し、講師の添削コメントを意識しながら勉強することで、効率的に弱点を克服できると思います。
国内旅行実務「JR計算」
この分野での鍵は、とにかく計算に慣れることです。
私も最初は計算が苦手でしたが、問題を繰り返し解くことで次第にスムーズに計算が進むようになりました。
特に、出題頻度の高い区間や特急券の計算を重点的に練習しました。
さらに、ネットで実際の電車の写真や路線図を調べることをおすすめします。
視覚的なイメージを持つことで、問題を解く際に迷いが少なくなり、スピードも上がります。
国内旅行実務「地理」
国内地理は範囲が広いため、座学だけでなく耳学や動画を活用して学習することが効果的です。
私が勉強した2015年当時はYouTubeがそれほど充実していなかったため、観光地や温泉の名前を自分で読み上げてiPhoneに録音し、通勤中に繰り返し聞いて覚えました。
今なら、観光地や温泉の情報を検索すると関連動画がたくさん見つかります。これを活用して、観光地の風景や特徴を映像でイメージしながら覚える方法が良いでしょう。
また、ユーキャンでは動画講義が充実しているため、家事をしながら、通勤しながらといった「ながら学習」や「耳学」に最適です。
隙間時間でも効率よく学べるのが動画講義の強みです。
まとめ。国内旅行業務取扱管理者を目指す方へ
国内旅行業務取扱管理者試験は、範囲が広い分効率的な学習が重要になります。
私の場合、参考書や過去問を繰り返し活用し、重点的に苦手分野を克服することを意識しました。
特に、計算問題は慣れが必要で、路線図や鉄道のイメージを視覚的に覚える工夫が効果的でした。また、地理の分野では耳学や映像を活用することで、効率よく暗記を進められました。
通信講座を使うことで、体系的に学習できたことも大きな助けとなりました。
特にユーキャンは、教材が分かりやすく、学習を続けやすい構成だったため、とても役立ちました。
2015年当時の体験ですが、この方法は現在でも十分に応用可能です。試験内容やリソースが変わったとしても、効率的な学習法の基本は変わりません。
これから試験を目指す方も、自分に合った方法で計画的に取り組めば、きっと合格をつかめるはずです。
あなたの挑戦を応援しています!