
恋人が外国人で、結婚を視野に入れ始めたとき、多くの人がこうした疑問を持ちます。
言葉や文化の違いを乗り越えられるのか、家族はうまくやっていけるのか、結婚後の生活にどんなことが待っているのか──。
実は、「好き」だけでは乗り越えられない壁もあるのが国際結婚。

恋人との関係がうまくいっている今こそ、将来起こり得るすれ違いやトラブルについて知っておくことで、結婚後のギャップを減らし、より良いパートナーシップを築くことができます。
この記事では、筆者自身の経験を交えながら、結婚前にぜひ話し合っておきたい7つのポイントとその解決策をご紹介します。
1. 文化や宗教・生活習慣の違い
国際結婚では、日々の生活の中にある些細な違いが、積もり積もって大きなストレスにつながることがあります。
たとえば、宗教的な習慣が異なることで休日の過ごし方にズレが生じたり、食文化の違いで「毎日の献立」すら話し合いが必要になったりすることも。
筆者の家庭では、春節(旧正月)とお盆の過ごし方が大きなテーマになりました。
妻にとって春節は家族全員で集まる最も大切なイベント。
一方、私は日本の正月を重視していて、毎年どちらの国で過ごすかが課題になっていました。


2. ビザや婚姻手続きの煩雑さ
国際結婚には、ビザの取得や婚姻の手続きなど、国内結婚では経験しない“書類の壁”が立ちはだかります。
必要な書類が国によって異なるのはもちろん、翻訳・認証・申請の順序なども非常に複雑。
知らずに手続きを進めると、思わぬタイムロスやトラブルにつながることもあります。
筆者の場合、中国での婚姻登録後に日本でも入籍を行いましたが、必要な書類が揃っていないと役所で差し戻され、何度も大使館と役所を行き来する羽目に。
スムーズな手続きのためには、もっと早く段取りを調べておくべきだったと痛感しました。


そのときは「もっと早く準備しておけば…」と本当に焦りました。
書類の種類や流れは複雑なので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
例えばこんな体験談…
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3. お金に関する価値観の違い
国際結婚では、「お金の使い方」に対する考え方の違いが、予想以上にストレスになることがあります。
たとえば、日本では貯金を重視する家庭が多い一方で、相手の国では「今あるお金を使うことが善」と考える文化も。
さらに、家族への仕送りや支援が当たり前という背景があると、双方の認識に大きなズレが生じやすくなります。
筆者の家庭では、妻が実家だけでなく兄弟や親戚にも高価な贈り物を送ることがあり、最初は戸惑いもありました。
日本でも親に仕送りをするのは立派なことですが、兄弟や親戚にまで贈るという感覚は私にはあまりなじみがなく、「そこまでするものなの?」と驚いたのを覚えています。
逆に、国際結婚の中には「親への仕送りそのものに抵抗がある」というカップルもいて、文化の違いをどう乗り越えるかが鍵になります。


筆者自身も、家族の将来を考えて転職エージェントに登録したり、副業の可能性を探ったりしながら、いつでも動けるように準備していました。
4. 子育ての方針の違い
国際結婚では、子どもができてから初めて「価値観の違い」に直面する夫婦も少なくありません。
たとえば、「日本語と相手の言語、どちらを優先するか」「厳しく育てる?のびのび育てる?」「どの国の学校に通わせる?」など、教育方針ひとつとっても意見が割れることがあります。
筆者の家庭では、「子どもにどの言語を第一言語として教えるか」が大きなテーマになりました。
日本語を話せなければ私の親と会話ができないし、中国語が弱ければ妻の家族と疎遠になってしまう──そんな不安が両方にありました。


海外在住の場合は、夏休みを利用して、日本の小学校への体験入学や、子どもだけのツアーへの参加を検討してみるのもおすすめです。
こうした経験を通して、日本語や文化に自然に触れる時間は、子どもたちにとって貴重な財産になりました。
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5. 家族・親戚との関わり方
国際結婚では、親や親戚との距離感に関する「常識」が、国によってまったく異なります。
たとえば、日本では「事前に連絡する・気を遣う」が当たり前でも、相手の文化では「気軽に訪ねる=愛情表現」という場合もあります。
私自身も、妻の母からのビデオ通話が頻繁に来たときは最初は戸惑いましたが、妻にとってはそれが「普通」の感覚。
ただ、そうした家族のつながりの強さがあったからこそ、日常のちょっとしたことを気軽に相談できたり、育児や生活の中で精神的にも支えられてきたと感じています。


相手の親や親戚に対して違和感を感じたときは、なるべくパートナーを通して伝えるのも大事なポイント。
直接言うよりも、関係がこじれるリスクを減らせます。
6. 住む国の選択
「日本で暮らしたい」「相手の国で家族のそばに住みたい」──
国際結婚では、住む国の選択が大きなテーマになります。
仕事、子育て、教育、親の介護…。
お互いの人生に関わる問題だからこそ、どちらか一方の希望だけでは決められないことがほとんどです。
我が家は結婚当初から中国で暮らしていましたが、私としては「子どもの教育は日本で」と考えていました。
一方で妻は、「親のそばにいたい」という気持ちが強く、どちらの想いも大切だからこそ、住む国については何度も話し合いを重ねてきました。
なかなか正解が見つからないまま、家族の将来像をどう描いていくかが、ずっと大きな課題でした。


完璧な正解はありませんが、夫婦で将来のイメージをすり合わせておくことが一番大事です。
7. 国際結婚後の孤独感・アイデンティティの揺らぎ
国際結婚では、慣れない国で暮らすようになることで孤独感やアイデンティティの揺れを感じることがあります。
言葉がうまく通じない、人間関係が築きづらい、文化や価値観が違う──
そうした積み重ねが、「自分の居場所がない」と感じさせてしまうことも少なくありません。
私自身、中国での生活を始めた当初、職場はすべてローカルスタッフで、中国語もうまく話せなかったため、仕事中も気軽に話せる相手がいないという状況が続いていました。
さらに、日本の友人たちがSNSで楽しそうな日常を発信しているのを見るたびに、「自分だけが遠く離れた場所で取り残されているような感覚」に襲われることもありました。


筆者の経験からのアドバイス
筆者自身、2000年代初頭に中国人の妻と結婚し、上海を拠点に20年近く生活してきました。
結婚当初は親戚づきあいや子育ての考え方の違いに戸惑い、子どもが成長するにつれて教育費や生活費の価値観の違いにも向き合う必要が出てきました。
国際結婚の悩みは、一度で終わるものではなく、家族の成長とともに形を変えてあらわれるものだと実感しています。
そのたびに夫婦で衝突したり、話し合ったりを繰り返してきましたが、今では「どんな家族でいたいか」をパートナーと共有できているという実感があり、穏やかに暮らせています。
国際結婚は、国や文化、価値観が違うからこそ、「同じ未来を見られるかどうか」が何より大切だと感じています。

まとめ|違いはある。でも、それを一緒に乗り越えられるかが大事
国際結婚は、文化、言語、制度、価値観──あらゆる“違い”を日常の中で感じながら生活していくものです。
けれどもそれは、ただ大変なだけではなく、お互いの背景を理解し合い、より深く信頼し合えるチャンスでもあります。
どのテーマも、話し合わずに放っておくと将来的な大きな衝突の火種になりかねません。
でも逆に、今のうちにしっかり共有できれば、ふたりの関係はどんな国境も超える強さを持てるはずです。


もしあなたが今、国際結婚に向けて一歩踏み出そうとしているなら、この記事が少しでも未来を考えるきっかけになれば嬉しいです。