
✓住民票を抜くとどうなるの?メリットデメリットが知りたい!
✓結局、住民票は抜いた方が良いの?年金や健康保険はどうするの?
こんな風に海外移住や赴任、留学の準備において、住民票を抜いた方が良いのかどうかを悩む方は多いと思います。
この記事では住民票を抜くとどうなるのか、抜いた場合の対処法などを解説します。
結論
海外に1年以上住む場合は住民票を抜く必要がある。
ただ抜かなくても違法ではない。
住民票を抜くと税や保険の負担減。
国民年金の加入は任意に。
国民健康保険は強制脱退に。
抜いても国民年金は任意で継続、健康保険は民間保険でカバーも可能。
住民票を抜くとは? 海外転出届

住民票とは「住民の居住関係を公に証明するもの」です。
海外に居住を移す場合は、海外転出届を役所に提出し、住民票を抜く必要があります。
つまり、「海外転出届の提出=住民票を抜く」ことです。
1年以上の海外出張や海外旅行で日本を離れるときに提出が必要ですが、罰則はないため、提出するかどうかは本人の判断です。
住民票を抜いた場合の影響については次に解説します。
住民票を抜いたらどうなる?

住民票を抜くと以下のようになります。
住民票を抜くと影響があるもの
国民年金の加入が任意になる
国民健康保険は強制脱退になる
住民税の支払いがなくなる
マイナンバーが使えなくなる
順番に解説します。
住民票を抜くと「国民年金」の支払いが任意になる
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入する義務がありますが、住民票を海外に移すと任意加入という扱いになります。
支払いをやめることもできますが、その期間は将来の年金額が減るので注意が必要です。
住民票を外しても、公的なセーフティネットを使いたい方は「任意加入」がおすすめです。
任意加入の支払額(2024年度)は月額16,980円。
民間にはない手厚い保障があるため、将来の備えとして加入継続を検討する価値は十分にあります。

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住民票を抜くと「国民健康保険」の支払いがなくなる
日本に住民票がある人は、原則として国民健康保険に加入する必要があります。
しかし、住民票を海外に移すと国民健康保険に加入できなくなり、強制的に脱退となります。
その結果、日本に一時帰国して病院にかかった場合、医療費は全額自己負担となってしまう点に注意が必要です。
住民票を抜いた場合はこの制度も使えないため、海外での治療費も自己負担となります。
そのため、多くの人は海外旅行保険やクレジットカード付帯保険など、民間の医療保険でカバーしています。
健康保険についての対策は次の記事で詳しく解説してます。
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住民票を抜くと住民税の支払い義務がなくなる
住民税は、毎年1月1日時点で日本に住民票がある人に課される税金です。
そのため、海外に住む予定があり前年中に住民票を抜いておけば、翌年以降の住民税は課税されません。
ただし注意点もあります。
前年の所得に対しては課税されるため、移住初年度は支払いが必要な場合があります。
住民税は「所得割(約10%)」と「均等割(約5,000円程度)」の合計で構成されており、収入がなければ均等割のみになるケースもあります。
ここに注意!
✅ 1月1日時点で住民票が日本にあれば、その年の住民税が発生します。
✅ 渡航前に住民票を抜いておけば、翌年以降の課税を回避できます。
⚠️ 前年の所得による課税は避けられません。

海外移住前には、1月1日を意識したスケジュールで住民票を移すと節税につながります。
詳細はお住まいの自治体の税務課などに確認しておくと安心です。
住民票を抜くと「マイナンバー」が使えなくなる
海外転出届を提出して住民票を抜くと、マイナンバーカードは失効し、カード自体は手元に残っても機能は無効化されます。
この状態では、次のような不都合が出てきます。
- 日本の銀行や証券会社で新規口座を開設できない
- マイナンバーが必要な手続き(海外送金や本人確認など)ができない
- 一部の海外金融機関で日本人の口座開設にマイナンバーが求められるケースも
海外渡航前に住民票を抜く予定がある方は、銀行口座の開設や証券口座の手続きは出国前に済ませておくのが安心です。

なお、マイナンバー自体は一生同じ番号が使われます
。帰国して住民票を戻すと、再びマイナンバーは有効になり、カードも再発行が可能です。
結局、住民票は抜いた方がいいの?
年金・保険・税金・マイナンバーなど、住民票を抜くかどうかで日常の手続きや将来の備えに大きな影響があります。
以下にその違いをまとめました。
影響項目 | 住民票を抜いた場合 | 住民票を残した場合 |
---|---|---|
国民年金 | 任意加入になる(支払えば継続可能) | 強制加入(20歳~60歳) |
国民健康保険 | 強制脱退。再加入不可 | 継続加入可能 |
住民税 | 翌年以降の支払い免除(※前年所得分は課税) | 継続して課税される |
マイナンバー | カードは失効。口座開設や送金に不便 | カード有効。金融機関手続きもスムーズ |
1年以上の海外赴任・留学・移住を予定している場合は、原則として海外転出届を出して住民票を抜くのがルールです。
※ただし短期滞在や特別な事情がある場合、自治体によっては住民票を残す相談ができるケースもあります。

そんな疑問が少しでもあるなら、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
住民票を抜くと、以下に影響があります。
住民票を抜くと影響があるもの
国民年金の支払いが任意になる
国民健康保険の支払いがなくなる
住民税の支払いがなくなる
マイナンバーが使えなくなる
税金や保険料の負担がなくなるのは嬉しいですが、弱くなってしまった社会保障は、国民年金に継続加入するなり、保険は民間でカバーするなりが必要です。
住民票の他に、海外移住が決まってから準備するべきことは以下の記事でくわしく解説してます。
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この記事は以上です。ありがとうございました。